長い休暇

長い休暇だったので母と二人で祖母の墓参りに行った。

気候もよく、汗ばむ陽気だった。



祖母が亡くなってから一年、あっという間の一年だった。

祖父が七年前の同じ五月に他界し、祖母はひとりで田舎に住んでいた。畑を耕し、稲を植え、籠を編んでいた祖母。あの日、腹痛を訴え、祖母は翌日に旅立って行った。



母は「待ってくれている人が居るというのは幸せなことよ」と葬儀のとき、私に言った。

不用心にしていた田舎の大きな家。私たちは慣れない鍵を開けて入る。祖母の家は、まったく人の気配のないがらんどうだった。私たちは厚く積もった埃を取り除いた。

「よお、来てくださいました」、いつもそう出迎えてくれた祖母の姿はなかった。

掃除を終えると、仏間で手を合わせ、線香をあげた。

裏庭にある墓にも手を合わせる。

「ずっと一人だったから、今は二人で仲良くしてるのかしらね」

母は長い合掌のあと、囁くように呟いた。