時のかなたの恋人/ジュード・デヴロー

時のかなたの恋人 (新潮文庫) 時のかなたの恋人/ジュード・デヴロー [新潮社 1995-12]

あらすじ:
主人公は現代のアメリカ女性ダグレス。
結婚を前提に付き合っていた恋人と、その娘の三人でイギリスへ旅行に来ていたのですが、彼女は恋人に捨てられて一人に残されてしまいます。
バッグを奪われ、お金もパスポートも無く、教会で泣き伏すダグレスの前に現れたのは、16世紀イングランドの伯爵ニコラス。
何故、ニコラスが主人公ダグレスの前に現れたのか?
ダグレスとニコラスの400年という時空を超えた愛の物語です。

タイムトラベル・ロマンスの金字塔。久しぶりに朝まで一気に読みました。これは墓場まで持って行きたいリストに加えたい。ベタベタですが面白い。


物語は前半と後半に分かれています。とても読みやすく、またユーモア溢れる会話でテンポが良いです。
いじっぱりで泣き虫だけれど、一生懸命さがとても愛しいダグレス。
一人称が"余"で、偉そうでプレイボーイだけれど、純粋で優しいニコラス。
途中、「こんな男、昔でも今でも絶対に居ない!居るわけがない!」と思いつつも、ニコラスに心を鷲づかみにされました。純粋というか、犬のようですニコラス。
またイギリス文化についても面白く、現代と昔の違いなどが詳細に書かれています。

ラストは理解できるし妥当なのだけれど、私は…い、嫌です。それでも残り8ページは涙がぼろぼろと止まりませんでした。